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残虐記の体験のあとの穴

残虐記
桐野 夏生
新潮社


これ読んだんですけど。
私は新潟監禁事件は浮かばなかったです。作者のインタビュー読む限り、新潟事件をモデルに書いた作品なのは間違いないみたいだけど。

「乙女の祈り」の小説家志望の少女の告白があればこんな感じかなぁと思った。
だって書いてる人が小説家。あれも実在の殺人事件だし、アン・ペリーだっけ。
 
タイトルが悪い。
「残虐記」になってないと思うから。

 
穴
 
ガイ バート Guy Burt 矢野 浩三郎
アーティストハウス
 

穴
ポニーキャニオン (2002/12/18)
映画化になったほう。

この本とほぼ同じなんですよね。
主役、構成、事件、謎、オチ。
パクリなんて言うつもりもなく、「誰かに監禁されて精神的に追い詰められた人の告白」なんつー主題で書かれる小説なんてありふれた題材ではあるし、そうなると、当然こうなるでしょうっていう。

ちなみに映画の穴は最低でした。
原作みたいな奈落のような闇で終わらず、「中で何が起こったか」、「誰が犯人か」などというどうでもいい起承転結を求めるのは、やっぱり、アメリカ的だなあと。
原作、台無しです。っていうか、中で何が起こったかを書くのなら、もっとえぐいの作ってくれよって感じでした。穴から出たあと、肉体的にも精神的にも開放されて自由になるってのがおかしすぎる。

映画化するならデヴィット・リンチあたりでないと無理だろなと思ってた作品。やっぱりってな仕上がりだった。
あれ?なんか映画の穴に対する愚痴になってしまった。

話を戻します。

映画化にあたって、 作品タイトルも内容も改変が加えられたので、 
私が読んだのは改変前の下の作品なんですが。

 
 
体験のあと
ガイ バート Guy Burt 矢野 浩三郎
集英社

こっちのほうが「残虐」でした。
主役の女の子が頭悪くて、狂ってて、馬鹿で、おまけに普通の子だから始末が悪い。
いい年して自分を守る頭のよさってのがないんだから。運命に翻弄され蹂躙されぽっきんと折れちゃってるんだから。
オチの部分でストレートに「否定」がやってきますからね。その仕方がスマートすぎてほんと取り付く島もない。だからこそ、読者は奈落の底を見てしまうんですけど。

桐野夏生の残虐記が残虐なのは、新潟監禁事件を母体にして作って、読者に実在の事件を連想させるって言う、その部分だけだなあ。

ストレートに読むと、「性的虐待」を期待する他人の眼ってのが一番つらくて、神様だった人が実は…ってころが一番傷ついた、って読めるけど。はたしてそこが一番「残虐」なんだろうか?

少女がああいう「強い」性格で、表現者に成長して、犯人がああいう「弱い」人間で、検事がこういう男で、というのは、作者のこうであってほしいという希望じゃないのかなぁ。ヤタベさんと対峙する展開なんか特に!
一小説家の妄想が書店で堂々と売られているってことが、「残虐記」なのかもしれないけど。

どっちにしろ私は、残虐とは、こういう中途半端な悪意を指さないと思うんだ。

うまく書けないけど、うまく書こうという気もおこらないので
たらたらと書くけど
桐野夏生はやっぱり私と相性悪いのかな…。

犯人の「ゆるさなくていいです」の手紙だけは、最高。
エド・ゲインが手紙書いたらきっとこんな感じだと思う。

しかし、私は、この本を読んで思ったが
今後、件の少女について思いをはせることは絶対やめよう。
幸せになってほしいなんて意見すら脳みそから締め出そうと思う。

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  1. 2006/10/25(水) 00:23:07|
  2. 読み物とか
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