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「アイシテル~海容~」で描かれた許しとは

「アイシテル~海容~」ドラマについてあれこれ述べるのはやめときます。ちゃんと毎回見てないので。

ただ、稲森いずみは、あの母親にぴったりですね。恐ろしいまでに。綺麗で、弱くて、でも覚悟決めたら強いぞ、みたいな。

けど、「千花ちゃんに限って」の記事にリンク張ってくださった方の記事見たら、私の文章読んで「被害者の母親が簡単に犯人を許すなんて」と勘違いされてたので、そこちゃんと書きます。


えーとですね。事件の全貌が見えて、マスコミ報道も収まって、そのあとの話です。

利発とはいえ子供がゆえに、殺人という重大な犯罪を犯したことをイマイチ理解してない犯人の少年。彼が罪の重さを自覚し、心から反省するためには、どういう成長をすべきなのか、どういう教育を施すべきなのか、周りの大人たちが考えることになります。

案その1・辛く当たって惨めな人生を歩んでもらう。

人を傷つけて当然のDQNに成長するでしょうね。こうなったら永遠に反省なんて無理ですよね。再犯の可能性も高くなる。

案その2・きちんと人の痛みのわかる人間に成長させる。

ごく普通の人間になるということ。人を傷つけたり、殺人なんてもってのほかという一般人となんら代わりの無い倫理観を持つ大人を目指す。生きていることの素晴らしさを知らねば、それらを奪われる痛みはわからないからね。

さあ、どっちを望む?

案その1じゃ、一生反省はない。武勇伝にされる危険だってある。

でも案その2だと、親や周りの人間の愛情をもらい、ちゃんとした教育を受けていかないとこれまた難しい。どっちみち、手厚い保護下でぬくぬく生活するわけです。殺人犯がですよ?殺人を忘れてのうのうと暮らしていく危険が高いわけです。

改心の可能性がある子供、というのは、これはこれで辛いですね。
中途半端に自我が成長済みのDQN犯だったら、ひたすら憎むだけですみますけど。

この作品の被害者の母親は、犯人の健全な成長を望みます。

でもこれは単純な許しとは違います。

いつか、自分がどれだけの大罪を犯したかを理解して、心から謝罪して泣いてくれるかもしれない。そのために成長してほしいと願うんですよ。

ぶっちゃけ、もう反省なんてしなくていいからのたれ死ね、か
改心して心のそこから息子を殺したことを反省してほしいか
で、後者に行き着いたわけです。

そのためにまず被害者の母親は、少年の心境を思いやり、自分の息子の非を認め、出会いのきっかけになった少年の親切にお礼を言うわけです。

相手の気持ちを思いやること。親切を受けたら感謝すること。憎しみに駆られて怒り狂うだけではいけないこと。非は非と認め謝ること。少年に、人とはこうあるべきという形を身をもって示すのです。

気が狂わんばかりの、相当な覚悟の「海容」です。血反吐を吐きつくして行き着いた先の「海容」なんです。

加害者の母親も、被害者の母親の気持ちを知り、ぜったいに心からの反省をする人間にしたいと願うわけです。すでに道を大きくはずれた息子を正しい道に戻すなんて気の遠くなるような話です。手元に戻ってくるのは何年後になるのかもわからない。少年も過去の対峙から逃げて、思い出して苦しんで、また投げ出して、の繰り返しになるはずです。並大抵の道のりではないわけです。

そういうことなんですよ。単純に「しょうがないわよねー、こどものやったことだもの」レベルの話ではないです。

「アイシテル~海容~が発売。2007年度最高の問題作です」、で、この作品のモデルなのでは?と、引用した文章をもっかい載せます。

神戸須磨児童連続殺傷事件で犠牲になった少女の母親が少年Aに書いた手紙です。これが本当にそのものなんですね。

最後にA君へ。もし、私があなたの母であるなら、真っ先に思い切り抱きしめて、共に泣きたい。言葉はなくとも一緒に苦しみたい。

氷のように冷たく固まってしまったあなたの心。そのうえ、それを深い海の底に沈めてしまった。 でも、深く暗い海底からそれを捜し出し、ていねいにゆっくりと氷を溶かし、ゆったりとほぐすことができるのは親の愛しかない。とりわけ、母の愛が太陽の温かさで包み込む以外に、道はないと思うのです。

罪を罪と自覚し、心の底からわき出る悔恨と謝罪の思いがいっぱいにつまった、微塵のよどみもない澄みきった涙を、亡くなった二人の霊前で、苦しんだ被害者の方々の前で流すことこそ、本当の更正と信じます。

それまで、共に苦しみ、共に闘おう。あなたは私の大切な息子なのだから。

彩花へ―「生きる力」をありがとう (河出文庫)

娘を殺したこと、殺人という罪の大きさ、それらに向き合い、きっちり反省して涙を流せる人間になってほしい。そのために私があなたの母親になる。
・・・読めば読むほどすごい手紙だと思います。

こういう言葉を出せる人の娘が殺された。
この母親に愛情注がれて育っていた女の子が殺された。
改めて少年Aは、とんでもない大罪を犯したもんだと思います。

当時、朝のニュース番組で、この手紙を読んで少年Aが泣いた、と言ってたような記憶があります。反省の言葉を口にしたとか、なにかしらの反応はあったようです。「こんな言葉をもらって泣けない人間はおかしい」というようなコメントを熱っぽく、かつ吐き捨てるようにアナウンサーが言ってたので、もしかしたら泣いてはいなかったのかもしれません。

私個人としては、
アイシテル~の犯人少年には、「健全な成長して反省更生を望む」それでいい。
でも、少年Aには、「惨めな人生を歩む」を望んでしまう。再犯は困りますが。彩花ちゃんのお母さんのようには考えられない・・・。そもそも事件の異常さや規模が違うから比べてもしょうがないけどさ。これが現実と、フィクションの違いだと思います。フィクションだからできる理想論だし。


でもって、原作では、最終回に成長後の犯人少年が出てきます。正直、この最終回はどうよ?と思ったんですが。(ネタバレボタンクリックで続き)

そんな夢物語が簡単に成功するはずはなく、ちゃんと教育失敗してるんですよね。

ただ、反省の一歩手前というか、「人の命を奪う、殺す」ことの恐ろしさに気付いて、涙を流すシーンが出てきます。でも反省までは行ってません。ここで終わっています。

それに加え、えーっこれ安易すぎないか?っていう設定が出てきたり、最後まで描きっていないことに不満のほうが大きかった。

でも答えも正解もない話だから、奇麗事だけで終わったわけでもないし、これで良いんじゃないのかと気持ちは変わりつつあります。

アイシテル~海容 前編 (1)アイシテル~海容 後編 (2)

  1. 2009/05/09(土) 11:00:00|
  2. 読み物とか
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

少年Aは冤罪、と確信する一団があり、その証拠も沢山提示しています。見れば納得する内容です。もしそれが本当であれば、少年Aは涙「できなかった」のかも。真犯人はのうのうとしているのかも。ただ、被害者の母親の手紙は、真実の思いなのでしょうね。
  1. 2009/06/13(土) 14:52:23 |
  2. URL |
  3. 名前無し #-
  4. [ 編集 ]

名無しさんへ

>少年Aは冤罪、と確信する一団があり、その証拠も沢山提示しています。見れば納得する内容です

見てきましたが・・・
「冤罪と確信する」には、強引すぎます。
私個人は納得できません。

また、「少年Aは冤罪と確信する一団」
この団体ちょっと、うさんくさそうですね。
冤罪に関する話題はここで終了させてください。
  1. 2009/06/14(日) 14:02:35 |
  2. URL |
  3. ―モカ #T0ca3UNU
  4. [ 編集 ]

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